アカデミー賞作曲家タン・ドゥンによる映画「HERO」のサウンドトラックに鼓童が参加。
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音楽:タン・ドゥン(指揮)、イツァーク・パールマン、鼓童、中国フィルハーモニック・ オーケストラ&合唱団、フェイ・ウォン
2002年5月14日・15日、アミューズメント佐渡で単独収録
山口幹文、齊藤栄一、金子竜太郎、斎藤秀之、新井武志が参加。
発売日:2003年7月16日
製品番号:SICC126
発売元:ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
▼鼓童メンバーのコメント▼
■次の夢に向けて動き出した〜山口幹文
タン・ドゥンさんと初めてお会いしたのは、2001年三月のカーネギーホール公演の時でした。終演後、「一緒に何かやりたい」という話が出て驚きましたが、「HERO」の音楽製作ではすでに鼓童を起用する考えを持っていたようです。録音は2002年5月に佐渡で行われました。
タン・ドゥンさんは来日直後、鼓童はEC直後、期間は2日間という厳しい状況にもかかわらず、彼はタクトを振りつつ初見の譜面に苦労する僕たちを励まし、録音技師に冗談を飛ばしたりと、音楽だけではなく現場全体の指揮もこなしてくれました。自ら太鼓を叩いてはあれこれと奏法を工夫していたことも忘れられません。先日完成したCDを聴きましたが、美しさと力強さが見事に融合された仕上がりとなっていました。このアメリカツアー中に約半年ぶりにニューヨークでお会いしましたが、いつものように童顔に笑みを湛え、「また一緒に何かやりましょう」と次の相談が始りました。こういう時のタン・ドゥンさんは、夢を持った子供がそのままま大きくなってしまったような印象です。素晴らしい芸術家との出会いは、常に私たちに新たなエネルギーを与えてくれます。互いに忙しい身なので今後のことはまだはっきりしませんが、近い将来、鼓童のために新曲を書いていただけたらと考えています
■「勉強しなきゃ」と改めて思った収録〜齊藤栄一
僕は新しい曲をやるときは、身体で覚えるタイプだから、本当はすごーく練習が必要。でも、今回はEC直後の収録で、譜面が到着したのもEC直前という状態で、殆ど練習期間がありませんでした。しかも、曲は確か十曲以上あったから、殆ど初見で演奏しなきゃいけなくて。だから翌日に持ち越した曲の稽古を、もう深夜までやりましたよ。タン・ドゥンさんの曲は、全てが緻密に計算されていて、映像と音楽が見事にシンクロしていました。太鼓もたたくだけでなく、太鼓の面を指で擦って音を出したり、なにしろ出る音のすべてが音楽になっていく、それを目の当たりにしました。これまでの鼓童のレコーディングにはないアイデアでしたね。
☆譚盾(タン・ドゥン)プロフィール
作曲家。「ニューヨークタイムズ」が選んだ世界で最も重要な10名の音楽家のひとりに名を連ねている。2001年「グリーン・デスティニー」でアカデミー賞最優秀作曲賞を受賞。
☆映画「HERO」
2003年8月、日本全国で公開
出演:ジェット・リー、トニー・レオン、マギー・チャン、チャン・ツィイー、チェン・タオミンほか
監督:チャン・イーモウ
作曲・指揮:タン・ドゥン
演奏:イツァーク・パールマン(ヴァイオリン)、鼓童、中国フィルハーモニーオーケストラ
衣装デザイン:ワダ・エミ(日本人デザイナー)
制作:香港安楽影片有限公司、北京新画面業有限公司
配給:ワーナー・ブラザース映画